不思議なお話だった。そして切なかった。
なんとなく星の王子様を思い出してしまったくらい。
人の言葉の真意をどれだけ理解できているだろうかと考える。
主人公のアシュモル。妹のケリーアン。ケリーアンには人には見えない友達がいる。それがポビーとディンガンだ。この話を読んだとき一番最初に思ったのが「嘘なのかな?」だった。けれど、読んでいくうちに人々が巻き込まれていく渦のようなものが見え始めた。それは、アシュモルが突然いなくなったポビーとディンガンを必死に探しているからだ。
どんどん渦が大きくなって、読み手側も応援し始める。
「見つかって欲しい」と。
「見つかりますように」と。
映画は今は観れないようだ。映画館で観たかったな。
この本は映画化が合う気がする。それは、つまり本では補えない部分を映画が表現しているのではないかと思うからだ。
ポビーとディンガンを読んで欲しい。
信じるってどういうことなのか、本当に人の言葉に耳を傾けられているだろうかと自問自答したくなると思うから。
なんだか本当にピュアな物語だと心から思う。
心に残った文章
p162「でも笑いたいなら笑えばいい。ぼくはちっともかまわない。なぜってそいつらはみんな、なかなか目には見えないものを信じることも、さがしてもさがしても見つからないものをさがし続けることも知らないトンチキなんだから。」