今、あなたのこころのなかにはなにがみえますか?
くじらといるかのやりとりが秀逸。
言葉が優しくたゆたうように心の奥に届く。
詩のような物語のような。優しい気持ちになれる本。
波が来ては戻るように言葉が心にそっと寄せては返していくようだ。
本文の中に
「いちばん・・・手をにぎって・・・もらいたい・・・ひとって・・・いちばんすきな・・・ひと・・・の・・・こと・・・なんだな」
とある。
私は変な人だから「いちばんすき」という感覚がない。
そのときそのとき「いちばん」が変わってしまうから。
お客様が困っていたら、その人がいちばんになってしまう。
誰かが泣いていたら、その人がいちばんになってしまう。
本書の中のくじらは、本当にいるかがたいせつ。
すごく伝わる。
私のたいせつって何だろう。
えがおは絶対だ。
うん。
かぞくも。
でも、やっぱり「人」なんだ。
誤解させてしまうことも、失敗することも、知らないうちに悲しませてしまっていることもあるけれど。
人がたいせつなんだなぁ。
本書はとても深い海のように、深く深く何度も読み直していく本だと思う。
たいせつな人には、ちゃんと会おう。