ナチスから図書館を守った人たち
囚われの司書、詩人、学者の闘い
ディヴィッド・E・フィッシュマン
羽田詩津子 訳
THE BOOK SMUGGLERS
どう、守ったのだろう?
アンネの日記を幼い時に読んでから、こうした書籍が気になってしまう。
時間を見つけて、ちょこちょこ読んでいくと、歴史についてはなかなか理解が難しいのだが、本については胸に刺さる言葉が多く、とくに、生きるために必要な衣食住よりも、本を強く欲していたという事実は衝撃的だった。
人々は活字から離れていられなかった、という言葉からも、人は本を必要としていることが分かり、元々書店員だったからかもしれないが、胸が熱くなった。
辛いとき、苦しいとき、身が裂けそうなとき、本は傍にいてくれる。
そう信じて本屋で働いてきた。
本書に登場する人たちは、他の人が身の回りのものを服の中に押し込んでいた中で、紙や本を守ろうとしていた。どんなに苦しくても信念を貫いて。
私には信念を貫き通すことは出来なかったけれど、今も忘れてはいない。
いつか、いつか、きっと、本に誠実でいられるような場所で、改めて貢献したいと思った。