1つ1つ物事を自分なりに考えて向き合うというのは、こういうことなんだなと強く感じた1冊。
普段、惰性で思考していることは、気付くと、しゃぼん玉のようにふわふわと浮いて消えてしまう。私の頭の中は、いつもしゃぼん玉。
そして、多分タイプAとしては生きにくい人の1人なのだろう。
繊細で、優しい。人の気持ちに良く気付くし、感受性が豊か。そう、褒めてもらっていても、心の中では
繊細=傷付きやすくて 面倒って思われてるのかな?
優しい=言うこと聞いてくれると思われてるのかな?
良く気付く=先回りしてもらいたいのかな?
感受性が豊か=気にしなくて良いことまで気にしてる?
とまぁ、プラスかマイナスにしか捉えられていなかった過去の自分。今もまだ多少、根強く残っていたりする。
少しずつ、なんとなく回避する方法を見つけてきてはいたけれど、どうも上手く生きられない。
そんな私に、本書は
適応力をつける=考え方を変えていく
そのために必要なこと
身につけていくためのポイント
それだけではなく
適応しすぎないためのやり方
(八方美人になりすぎないためのやり方)←ここ、ものすごく私にとって重要なところ
などが記載されている。
自分の感情や思考を、ここまでまとめられるものなんだなぁと思った。読んで書いて読んで書いて何年も何十年も続けてきたからこそ、まさに塵も積もれば山となるなんだな。
なにかにつけて、自分は駄目だなぁなんてへこんでいた若かりし自分に読ませたい。そして、大事にすべきは自分の心だよと言ってあげたいなぁ。まぁ、そんなことできるわけもないので、今の自分に言い聞かせて、じゃあ、どうする?ということを1つ1つ決めていかなくてはならないな、と感じた。
文中に「評価の基準を内側に置く」p28参照
とあるのだけど、私の基準は完全に「外」なんだ。
他人のため
お客様のため
会社のため
誰かのため
仕事を辞めて、専業主婦になってからその想いは薄れてきたけど、前は完全に外だった。
「家庭」は自然と自分も含まれた「内」になるから、多少向き合ってこれてはいる。でも、自分自身が基準になっていない。
夫
子ども
が基準になっている時点で、まだきちんと定着していないのだろうなと思う。
自分がないから、他人の意見に左右されてしまう。それじゃ、自分を大切になんか出来てないよなぁ、、とかなりショックを受けた。
この本の中で、適応力の5大要素を本書の中で書いているのだが、その中の1つ「断らない」というのは、仕事をしていた頃なるべく努力していた点だった。しかし、私には「どう扱われたいか」を示す ということが欠けていたのだと、本を読んで分かった。
とにかく自分の能力以上のことを期待に応えていきたいと、ボロボロになるまでやっていたのが間違っていた。期待に応えられなかったときの恐怖、期待がなくなってしまう恐怖に怯えていたのだなと今なら気付ける。バランスは本当に大切なのだなと思ったし、そのバランスは、練習しないと磨けないものでもあるのだと知るきっかけをくれた。
また文中に
「常識」「先入観」を通して判断するのではなく、その現状をそのまま受け入れるのが「適応力」です。p65参照
と書いてあって、私は常識、先入観の塊だ!と恥ずかしくなりました。どれだけ「人」基準なんだろうと恥ずかしくなった。
考え方が違うから話さないということはないが、人が多い車内ならまだしも、人が少ない車内で少し子どもが騒いでも寝ている人がいる場合、過剰に「寝ている人がいるから静かにね」と言ってしまう。夫は「人が少ないんだから多少は大丈夫だよ」と話してくれるのに、寝ている人を騒いで起こしてしまったら、嫌な気持ちになるかもしれない、なんてことを考えてしまい、結果注意してしまう。
何度か赤ちゃんの頃「うるせー!静かにさせろ!」と舌打ちされた経験があるからなのかもしれないけれど、怯えてしまう自分がいる。そういうのも内側にしっかり基準があればブレないのだろうけど。
最近、モヤモヤというかイライラしてしまうことが多くて、何にイライラしているのか分からなかったけれど、本書を読んで「適応」出来ていない自分が嫌なのかもしれないなぁと思った。
怪獣くんは、幼稚園に楽しそうに通っていて嬉しい限りなのに、私がまだ幼稚園でのやり方とか、動き方、立ち位置みたいなものが見えていない。こんなこと言っていいのかな、頼っていいのかな、といつも不安定。「配られるプリントに全部書いてあります」と言われても、見逃していたらどうしようとか、なんだか余計な不安がくっついてきて、誰かに聞いてしまう。でも、聞いても「プリントに書いてあるよ」と言われるわけで、まぁそれはそうなんだけど、この見えない不安みたいなものがあるから、(安心したくて)聞いてしまった、というところは、あまり伝わらない。(当然)
普通の人が普通に出来ること、例えば「朝送って、そのあと保護者の集まりがあるから残って話して解散」という流れの中で、私の頭の中では
朝送って集まるって何時から?
とか
どれくらいだろう?
とか
早口の人がいると聞き取れないけど大丈夫かな?(慣れている人ではない場合緊張して聞き逃したり、聞き間違えたりしてしまう)
とか、いくつもの不安がくっついてくる。なので、普通(といっていいか分からないけど)の人はちょいちょいと終わることでも、かなり心の疲労があるわけだ。
周りがどう思っているかは分からない。
でも、そういう人なんだと周りに知ってもらうための努力は、今後自分が幼稚園やこの先適応していく上で、開示していっても良いかもしれないなと思った。
要は、人は好きだけど人が苦手なんだな。昔から変わってないや。克服しようと試みていたけど、それも難しい。
なら、自分の考え方を変えていくしかないんだろうな。
「考え方」ぐらいしか変えられなかったのです。
と本書にも書いてある。p113参照
幼稚園のことを例にあげれば、まだ入ったばかりで分からないということを開示して、ルールを教えて欲しいということや、早口だと聞き取れない、聞き返すのが苦手ということも少しずつ伝えていけば良いのだということ。初対面の人なのだから、嫌われるとか、へんな不安を持たずに向き合ってみること、試していくことを努力してみようかなと思えた。
読んでいて思ったのは「あー、なんだか夫に近しいものがある」ということ。夫は言葉が足りないので、分かりにくいところが多々あるのだけど(私と正反対なところがあるから、理解するには言葉で説明されないと分からないことがある)本書を読んでいて、
あー、こういうことを言いたかったのかな?
そっか、そう考えていたのかな?
と分かる部分があって理解しやすかった。著者ほど、ちゃんと考えているかは疑問だけれど(冗談)なんとなく伝わるような気がした。そういう意味で夫の足りない言葉補佐辞典的な役割をしてくれる本でもある(笑)
全部を全部、やってみることはないと思うけど、考え方とか、やり方のヒントとして、私は本書を手元に置いておきたい1冊に決めた!
1人の時間が増えてきたなら、その時間を自分の考えをまとめる時間として使うのも贅沢な時間なんじゃないかなと思えた。
あともうひとつ。
本を読んで、すぐ感想を書けるのは幸せなことだなと思った。やっぱり、本から感じるものが大好きだ!
本書は、著者が読んだ本の中から関係する部分の文章を抜粋しているのだが、ブックガイド的な役割も担って欲しいということで、意図的に増やしているそう。私は影響を受けやすいので、紹介された本を読んでみたいと思う。
興味深い本だった。
また、本買いに行くよ!!!!