日々ぷかぷか 笑顔が好き

8歳の息子のママです。顔タイプ診断アドバイザー一級取得。服やコスメ、アクセサリーが好き。本も好き。写真を撮るのが好き。好きで溢れる毎日。2022年は何か仕事として形にしたいと考え中。下を向いて歩くのではなく顔を上げて笑顔で歩むためのお役に立てれば幸いです。

【読書】八月の母 早見和真 KADOKAWA

『八月の母』早見和真 KADOKAWA 

 

 子どもは親を選べない。生きていると何度か耳にする言葉。
そして、物語の中でも表現の端々に感じられるテーマの1つだと感じます。

 

 彼女が造り上げた城は、まさに、行き場のない子どもたちの居場所である・・・と思って読んでいました。

 

 しかし、この物語が伝えたいこと。

それは、居場所を提供してもらうことや、暴力に対する何か救いをということだけではないと感じました。
 1人の人間が懺悔・後悔・諦めといった感情に引きずられる事なく、自分の足で揺らがず立って歩いていく強さ。勉強が守る。誰誰が守ってくれる。そういうことじゃなく「己はどうありたいのか」を強く心に問わせる一冊だと思いました。

 

 私は、自分の足場が揺らいでばかりいました。
それは「自分が揺らいでいるからだ」と気付く切っ掛けをくれたのは、まだ、3歳にもならない息子の存在でした。
赤裸々に書くのは、恥ずかしいのでここには書きませんが、とにかく苦しくて抜け出したくて、最近やっと「おかしい」ということにも気付けるようになりました。


 世界が狭いのは、本人だけの力では気付けない。なんとか足掻いて抜け出した先に、受け止めてくれる人がいる。

 


 本書を読んでいて、私の心は荒れ狂う波のように変化しました。

 

救われたと思った
突き落とされたと思った
居場所が出来たと思った
居場所が汚されたと思った
逃げろと思った
甘えたいと思った
もう読めないと思った
泣き叫びたくなった


そして

 

自分の意思で一歩を踏み出した


その先に、涙が溢れるほどの願いと祈りを感じた

 

がむしゃらにでもいい
かっこわるくてもいい

とにかく生きてほしいと思った

 

 本当に、叫びと祈りと希望(これは、私の願いです)を感じる早見さんの血と涙の咆哮を感じました。

苦しかったです。

でも、きっといます。

この物語に登場したように動けなくなっている人たちが。

自分を見失ってしまう人たちが。
怖さ。優しさ。ノリや流れ。

あの、独特な空気を何と言ったらいいのかわかりません。

けれど、恍惚とする感覚になるのだろうなと想像します。
私はただ、祈るのみ。
自分で自分を殺すことだけはしないで欲しいと。