今、毎回更新されるのを心待ちにしている連載漫画がある。
それは「本の雑誌創刊秘話」を漫画化にした作品。
https://colorful.futabanet.jp/articles/-/1285
コミックが発売されたら絶対買うんだと決めている。(もう発売したのかな)怪獣くんがいつか読んだときに、きっと何かを感じてくれる本だと思うから。情熱や諦めない心、貫く想いを感じてくれると思うから。
静かな熱に影響を受けて思い出したこと(読み飛ばしてもOK)
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私は書店員として働いていたけれど、きっと他の書店員さんと比べて(比べることが意味のあることとは思わないが)忘れっぽいし、本の知識もあると自信をもって言えるわけではない。そのとき、そのときの担当を精一杯頑張るしかない。
児童書担当になれば児童書を読み直し新たに覚え直す。
文芸担当になれば、作家読みをしていく。情報をもらう。
地図担当ならば白地図を勉強する。実際に旅行した人の本を読む。
文庫担当ならば文庫を読んだり教えてもらう。
メモに残していても話の全体図をつかんで読むので感情を忘れる。だから読み直す。
人より何倍も時間がかかるし、それ以外にも動線を考えたりフェアを考えたりPOPを作ったりと器用な方ではないので自分でも嫌になるときがあった。
それでも頑張っていたのは、自分だけじゃないと思えたから。もっと頑張っている人が本屋業界にたくさんいたからだと思う。「ここまでが自分の仕事」と割り切って出来る人もいると思う。ただ、私はそれじゃつまらないなと思った。だから全力だった。
(終了)
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全力だったあの時とは打って変わって、今は心が穏やかだ。
育児の1番きつかった日々を乗り越え、一旦落ち着いているからかもしれない。
(またかいじゅうになったとしても、乗り換えるぞ!)
『三匹のかいじゅう』は、ふと椎名さんの本が読みたくなって図書館に行ったときに目にとまった本。岳物語は実家の本棚のどこかに(片付け中)あると思うが、こちらの本は読んだことがなかった。我が家の「かいじゅうくん」とタイトルの「かいじゅう」がリンクして愛おしく感じられたので読もうと思った。
何より、本から全力すぎない情熱が感じられたので読みたいと思った。
椎名誠さんが「孫」育児をする日々が書かれていて、かいじゅうくんの子育てに参考になる本だった。
風太くん(5)、海ちゃん(2)、琉太くん(0)本当に素敵なお子さんたち。
椎名さんの本は面白くてあったかくて、時々ピーンと張り詰める空気を感じる。何があっても動じず不動の大木のような強さ。受け止めてくれそうな心地よさ。ここからは踏み込んではいけないという領域。厳しさ。何事に対しても真剣で手を抜いてはいけない気にさせられる本。
PTAの方にお話を頼まれた部分は、マネ出来ないなぁと思った。
時々子どもたちの下校に付き添うときがあるのだが、見守る当番の方の「はい、自転車来ているから止まって」「車来ているよ」という子どもが反応する前に「合図」を出すことがある。声に合わせて動いているように見受けられ、つい「自分で見てみようね」「今見ていたかな?」なんて声をかけてしまっている自分自身を、ちょっと恥じた。思っていることをすぐ口にしてしまうのが悪い癖だからだ。
自分の子どもにまず話すのが先だと思った。
かいじゅうくんも夢中になると見ていなかったりするし、大人だって忘れてしまう。
人の子を心配するのも大切。ただ、この状況のときは「自分の子」に伝えるべきだったなと思った。
椎名さんの文で素敵だなと感じたのは「ユーモア」があって押し付けてこないところ。誰かを特定して言うのではなく、誰を責めるのでもなく、相手が気付くまで言葉を待ったり時に紡いだりするところ。
自分の軸で自分の五感で自分の頭で世界を見ているところ。
かっこよすぎる。
椎名さんのようには無理でも私なりに自然にかっこよく年をとっていきたいなと思った。
そして椎名さんの本を他にも購入しようと思った。
家に置いて何度も読み直したい本になった。
★個人的なカテゴリー[育児本]★